本当に御神輿には乗ってはいけないのだろうか。
日本は言論の自由が保障されていないので、むやみなことは言えないが、少なくとも、10数年前までは、「御神輿には『絶対』乗ってはならない」とまでの縛りはなかったような気がする。
もちろん、「頭(カシラ)」と呼ばれる、御神輿渡御を実質的に仕切る責任者(祭りの主催者ではない。もちろん、主催者であるときもあるが、そうでないときもある。このとき難しい問題が起きることがある。)が「乗るな」といった場合は絶対に乗ってはならない。
「神輿を仕切る者の指示には従うというのは担ぎ手の鉄則だ!」と、ある祭りで行き会った長老に教わったことがある。これは担ぎ手の常識であると言ってよかろう。
7年ほど前、三社祭の宮出しを見に行った。
知る人ぞ知るその人が輿上げを仕切っていた。
「三基同時に上げます。」とおっしゃった後、「オイ、二之宮!下りなさい!」との指示が飛んだ。数名の若衆が、上げる前の二之宮に乗っていた。
「下りなさい!」との指示が数回繰り返された後、乗っていたその若衆らが下りた。
ほどなく、一本で御神輿は上がった。
それから数年後、「棒折れ事件」(!)の翌年、いつも連合渡御で派手に御神輿に乗っている町会の御神輿に乗っているものは一人もいなかった。
江戸っ子の潔さと心意気を実感した。
ところが、最近の「御神輿には乗ってはならない」との指示の出所はどうも頭ではないらしい。(つづく)
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